インテグリティな日々

『憲法ガール』著者(弁護士)の大島義則が日々思ったことを綴ります。

『憲法ガール』Web版はしがきの跡地

まえがき

 本書『憲法ガール』は、平成18年から平成23年の新司法試験公法系第1問(つまり、憲法に関連する部分)の計6問を、ライトノベル風に解説するものです。読んで頂ければ分かると思いますが、平成23年から時系列を遡りながら平成18年の問題まで検討する形になっています。これは新しい問題のほうが、とっつきやすいであろうという考慮に基づいています。
 本書は軽い文体で書かれてはいますが、新司法試験の解説部分は受験に耐えうる内容にしてあります。したがって、若干、難しいところがあり、どうやら憲法に関する検討部分を読まない読者というのも多数いるらしいと聞きます。そういう読み方をされるのは、ある意味では光栄なことです。
 他方で、これから真剣に新司法試験受験を考えている人は、是非とも、新司法試験の問題文を読み、自分で問題を解いた「後」に、本書を読んで頂きたいと思います。そのような読み方をして初めて本書の真価、ストーリーの神髄が分かるでしょう。本書を読めば、法務省の公表している出題趣旨の意味を理解できるようになるだけではなく、判例・通説を自らの「武器」とする方法をも学ぶことができるはずです。読者の中には、本書の内容があまりに難しくて愕然とし、本当に自分がこのレベルに達することができるのだろうかと思う人がいるかもしれません。しかし、何度も何度も本書を読み込めば、次第に登場人物たちの「声」があなたに浸透していくことでしょう。本書の登場人物の「声」が、あなたの受験を支援し、支えてくれる「導き手」になることを筆者として切に願います。
 なお、本書は、暫定的な公表版ですので随時、誤字・脱字等の改訂を加える予定です。できれば挿絵をつけたいところですが、本書の反響次第でしょう。引き続き、ご愛顧頂ければ、幸いです。